住民票を抜くとNISA口座はどうなる?維持する3つの条件とは

住民票を抜くとNISA口座はどうなる?

住民票を抜く際には、NISA口座を維持する手続きが必要です。

日本に居住していない方がNISA口座を放置しておくと、金融機関に出国がバレて閉鎖される恐れがあるため注意しましょう。

そこで本記事では、住民票を抜くときに必要な手続きをわかりやすく解説します。

海外在住者がNISA口座を維持して積み立てた資産を守る方法がわかるので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

住民票を抜くとNISA口座は原則解約

NISA制度は「日本に居住する個人」を対象にしているため、海外在住者はNISA口座を原則解約する必要があります。

また、金融機関は国外で金融商品取引業務を営む許可を得ていません。

非居住者が海外でNISAの取引をすると、相手国の法律に抵触するリスクがあります。

そのため、非居住者のNISA口座は閉鎖され、保有資産は自動的に課税口座へ移管されます。

その後は、売却益・配当金に対して20.315%の課税が行われることから、非課税運用の恩恵を一切受けられません。

住民票を抜いてもNISA口座を維持できる3つの条件

非居住者がNISA口座を維持する条件
出典:金融庁|平成31年度税制改正について -税制改正大綱における金融庁関係の主要項目-

金融庁が定める一定の条件をすべて満たす場合、非居住者であってもNISA口座を維持できます。

具体的な条件は次の3つです。

1. 住民票を抜く期間が5年以内
2. 出国前日までに「非課税口座継続適用届出書」を提出
3. 帰国後に「帰国届出書」を提出

これらの条件を知っておくと、トラブルを回避してNISA口座を問題なく利用できるようになります。

それぞれ内容の詳細を順番に見ていきましょう。

1. 住民票を抜く期間が5年以内

2019年の法改正により、非居住者の期間が5年以内ならばNISA口座の維持が可能になりました。

ただし、上記の対象となるのは海外赴任や海外転勤する配偶者に付いていく場合など、やむを得ない事情があるときに限ります。

そのため、留学や旅行などの理由では、非居住者の期間が5年以内でもNISA口座を維持できません。

なお、住民票を抜いてから5年を超えると、非課税扱いが自動的に終了することも押さえておきましょう。

2. 出国前日までに「非課税口座継続適用届出書」を提出

NISA口座を継続的に利用するには、出国前日までに「非課税口座継続適用届出書」を金融機関へ提出する必要があります。

同書類を提出すると、受入日から数えて5年後の12月31日までは国内株式や債権などを保有可能です。

NISA口座を維持するための出入国前後の手続きの流れ

ただし、出国後の提出は一切認められていません。手続きが漏れた場合、その年の1月1日に遡ってNISAの非課税扱いが無効となります。

非課税口座継続適用届出書は、NISA口座を開設している金融機関で入手可能です。

3. 帰国後に「帰国届出書」を提出

日本に居住する際には、金融機関に「帰国届出書」を提出することで、NISA口座を利用できるようになります。

提出期限は、非課税口座継続適用届出書の提出日から起算して5年後の12月31日です。

期日が過ぎた場合、積み立てていた資産は課税口座へ移管され、非課税枠の恩恵を受けられなくなります。

なお、帰国届出書は、NISA口座を開設している金融機関で入手可能です。

住民票を抜く場合のNISA口座に関する注意点

住民票を抜く際には、以下の2点に注意する必要があります。

・非居住者の手続きは金融機関ごとに異なる
・出国中にできることには制限がある

それぞれ順番に解説します。

非居住者の手続きは金融機関ごとに異なる

非居住者がNISA口座を維持するための手続きは、金融機関によって異なります。

各金融機関が公式サイトで公開している手続きは、主に次の通りです。

各金融機関ごとのNISA口座維持のための条件

上記の手続きをすると、住民票を抜いてもNISA口座を継続的に利用できます。

出国を予定している方は、事前にNISA口座を開設している金融機関のガイドラインを熟読しておきましょう。

出国中にできることには制限がある

出国中にNISA口座でできることは、主に評価額や過去履歴の確認、円貸出金、一部商品の売却です。新規買付はできません。

海外在住時における商品ごとの保有・取引の可否の事例を表にまとめました。

スクロールできます
商品保有取引
国内株式・ETF・REIT売却のみ
外国株式・ETF
投資信託売却のみ
債権売却のみ
外国建MMF売却のみ
金・銀・プラチナ売却のみ
信用取引
先物・OP・FX・バイナリー・CFD
投資一任サービス
参考:Rakuten 楽天証券

とくに信用取引や先物などレバレッジ型商品の利用は完全にできません。

保有・取引できない商品は、出国前にポジション解消または積立解除する必要があります。

金融機関ごとに保有・取引できる商品が異なる場合があるため、各社の公式サイトを確認することが大切です。

まとめ:住民票を抜く場合もNISA口座は維持できる

本記事では、住民票を抜くときにNISA口座を維持する方法について解説しました。

非居住者は5年以内に帰国し、所定の書類を金融機関に提出すると、NISA口座を継続的に利用可能です。

ただし、ひとつでも手続きの漏れがあれば、長年築いた非課税資産が一瞬で課税対象に変わります。

この記事で紹介した「非居住者がNISA口座を維持する方法」を確認し、正しい手続きを踏めるようにしましょう。

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この記事を書いた人

専業Webライター/コンテンツディレクター。SEO記事やプレスリリース、インタビュー記事などをAIを使用して120%のクオリティで執筆しています。金融や不動産、AI、旅行などを得意としています。

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