無職でも積立NISA(少額投資非課税制度)を始めて将来の資産を築くことは可能です。
ただし、キャッシュを投資に回すことで、生活が苦しくなるのでは?と心配する方もいるでしょう。
そこで本記事では、無職が積立NISAを始めるメリットをわかりやすく解説します。
・積立NISAを始めるのに収入や職業は関係ない
・積立NISAの利益は非課税なので運用効率がよい
・投資をしすぎると生活苦になる可能性がある
無職でも積立NISAができる理由
無職でも積立NISAができる理由は次の2つです。
・NISA口座は無職でも開設できる
・税務署審査は無職でも合格できる
これらを知っておくと、積立NISAを始めるのに収入や職業は関係ないことがわかります。
それぞれ順番に見ていきましょう。
NISA口座は無職でも開設できる
無職でも以下4つの条件を満たすとNISA口座を開設できます。
・日本国内に住んでいること
・利用する年の1月1日時点で18歳以上であること
・本人確認書類とマイナンバー確認書類を用意できること
・他の金融機関のNISA口座を使用していないこと
上記から非居住者や外国人でない限り、無職でも積立NISAを始めることが可能です。
参考:金融庁|NISAを知る

税務署審査は無職でも合格できる
NISA口座の開設にあたって必要となる税務署の審査は、無職でもクリアできます。
税務署の審査の目的は、NISA口座が重複していないか確認することです。所得額や雇用状況は問われません。
そのため、無職は積立NISAを問題なく始められます。
無職が積立NISAを始めるメリット
無職が積立NISAを始めるメリットは次の通りです。
・利益が非課税になるため運用効率がよい
・少額投資から始められるためリスクが小さい
本章を読むと、無職でも積立NISAを安心して始められるようになります。
それぞれ順番に見ていきましょう。
利益が非課税になるため運用効率がよい
積立NISAで得た運用益や分配益は、最大1,800万円まで非課税です。
通常、株式や投資信託などで得た利益に対しては、20.315%(所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%)の税金がかかります。
しかし、非課税だと本来差し引かれるべき税金分を運用に充当できるので、効率がよいといえます。
新NISAの概要は次の通りです。
項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
---|---|---|
併用 | 可能 | |
非課税保有期間 | 無制限 | 無制限 |
制度 | 恒久化 | 恒久化 |
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
非課税保有限度額 | 1,800万円(うち成長投資枠1,200万円) | |
投資対象商品 | 長期積立・分散投資に適した投資信託 | 上場株式・投資信託 |
対象年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 |
年間投資枠が旧NISAの年間120万円から360万円に拡大されたので、より大きく運用をすることも可能になりました。
少額投資から始められるためリスクが小さい
積立NISAは少額投資から始められるため、リスクが小さいメリットがあります。
資金的な余裕が限られる無職の方でも、生活資金を確保した上で将来への投資が可能です。
金融機関ごとの最低積立金額を以下にまとめました。
金融機関 | 最低積立金額(月額) |
---|---|
楽天証券 | 100円 |
SBI証券 | 100円 |
野村證券 | 1,000円 |
三菱UFJeスマート証券 | 100円 |
月額100円から積立投資を始められるため、金銭面の懸念を払拭できます。
無職が積立NISAを始めるときの注意点
無職が積立NISAを始めるときは、次の2つに注意しましょう。
・資金がなくなり生活苦になる可能性がある
・元本割れのリスクがある
それぞれ順番に説明していきます。
資金がなくなり生活苦になる可能性がある
貯金を大きく崩して積立NISAをする場合、生活費がなくなる恐れがあります。
すべての資金を積立NISAに使うのは避けましょう。生活苦にならないためには、資産に対する投資比率を決めておくことが重要です。
日本銀行の「資金循環の日米欧比較」によると、日本人が株式や投資信託にかけるのは金融資産の19.6%だけとされています。

このため、おおよそ資産の4分の1ほどを投資に回すのが一般的といえます。
元本割れのリスクがある
元本割れとは、投資した株式や投資信託の価格が、買値を下回る状態を指します。
積立NISAには元本保証がないため、世界各国の政策や企業の業績などにより、元本割れが発生する可能性があります。
ただし、積立NISAでは自己資金での取引のみできるため、どれだけ元本割れしても借金を背負うことはありません。
また、元本割れしたタイミングで損切り(売却)すると、利益を現金化できますが、損失が確定します。
元本割れしても商品価格が上がるまで運用を続ければ、損失を被りません。
無職が積立NISAをする際によくある質問
無職が積立NISAをする際によくある質問を3つ紹介します。
・積立NISAをやめたほうがいい理由は何ですか?
・積立NISAで1万円を20年間回すといくら儲かりますか?
・無職が積立NISAをすると確定申告は必要ですか?
よくある質問をチェックすると、積立NISAに対する懸念が解消され、不安なく始められるようになります。
順番にご覧ください。
積立NISAをやめたほうがいい理由は何ですか?
積立NISAをやめたほうがいい理由は、すぐにお金が増えないことです。
無職が積立NISAで稼ごうとお金をつぎ込むと、支出が収入を上回る可能性があり、生活が苦しくなるかもしれません。
長期目線でコツコツ運用することがポイントのため、すぐにお金を増やしたい場合は、積立NISAが向かない可能性があります。
積立NISAで1万円を20年間回すといくら儲かりますか?
積立NISAでいくら儲かるかは、投資する銘柄とその年利によって異なります。
たとえば、毎月1万円を積み立てて20年間運用すると、積立金額は240万円です。
上記を年利5%で運用したときの最終積立金は4,110,310円。そのため、171万310円(411万310円−240万円=171万310円)の運用益が出ます。
その計算式は次の通りです。

FV:将来の金額(最終的な積立額)
P:毎月の積立額(1万円)
r:月利(年利5%÷12=約0.004167)
n:積立回数(月数/20年×12=240)
1.指数部分を計算:(1+0.004167)240=(1.004167)240≒2.71264
2.引き算: 2.71264−1=1.71264
3.割り算:0.004167÷1.71264≒41103.1
4.掛け算:41103.1×10,000=411,031,000
5. 答え:411万310円
なお、上記の計算を覚える必要はありません。金融機関の積立シミュレーションを使うと、投資額に対していくらの運用益が出るかを求められます。
無職が積立NISAをすると確定申告は必要ですか?
無職が積立NISAをしても確定申告は原則不要です。
積立NISAで得られた運用益や分配益は非課税のためです。通常、投資や投資信託で得られた利益には、20.315%が課税されます。
その税金を納めるためには確定申告が必要です。しかし、積立NISAには納める税金がないため、確定申告をする必要がありません。
まとめ:無職が積立NISAを始めるメリット
本記事では無職が積立NISAを始めるメリットや注意点について解説しました。
無職でも積立NISAを始めることは可能です。早期から資産形成をすると、将来的なお金の不安をなくせるようになります。
ただし、正しく投資運用をしないと生活費が不足したり、元本割れを起こしたりする恐れがあります。
積立NISAで失敗しないためにも、本記事で紹介したメリットや注意点を忘れないようにしましょう。
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